アフターピルのよくある誤解

アフターピル.com編集部|内容の確認日 2026-10-09

アフターピル(緊急避妊薬)には、昔の情報や、ほかの薬との取り違えによる誤解が少なくありません。よく見かける7つの誤解を、学会の指針・添付文書・国の資料で一つずつ確かめます。

よくある誤解と、資料に書かれていること
  • 中絶薬ではありません。主に排卵を抑えたり遅らせたりする薬で、すでに成立した妊娠には効果が期待できません。
  • 毎回の避妊に使う薬ではありません。計画的な避妊には、低用量経口避妊薬などを使います。
  • 性行為でうつる感染症は防げません。
  • 将来の妊娠のしやすさには影響しないとされています。
  • 2026年10月9日時点で、薬局での購入に年齢制限はなく、親の同意も要りません。「16歳以上・保護者の同意」は、2026年2月1日まで行われた試験販売の条件です。

誤解1「アフターピルは中絶薬」?

アフターピルは中絶薬ではありません。日本産科婦人科学会の指針は、生殖医学では妊娠の成立を着床(受精卵が子宮の内側に根づくこと)の時点としていることから、緊急避妊は人工妊娠中絶薬とは見なされていないとしています。

WHOも、緊急避妊薬は排卵を防ぐか遅らせる薬で、中絶を引き起こさず、成立した妊娠を中断することもないとしています。添付文書も、すでに成立した妊娠には効果が期待できないとしています。

効く仕組みについて、学会の指針は、十分には解明されていないとしたうえで、着床を妨げるよりも、主に排卵の抑制や遅延によると考えられているとしています。仕組みの説明は効く仕組みのページにまとめています。

誤解2「メフィーゴパックと同じ薬」?

名前を聞く機会が増えた「メフィーゴパック」は、経口の人工妊娠中絶薬です。アフターピルとは、使う時期も、使う人も、目的も違います。

アフターピル(緊急避妊薬)メフィーゴパック(経口中絶薬)
成分レボノルゲストレルミフェプリストン・ミソプロストール
使う時期妊娠が成立する前(避妊に失敗してから72時間以内)子宮内の妊娠が確認された後(妊娠63日=妊娠9週0日以下)
目的妊娠を防ぐ(緊急避妊)人工妊娠中絶
使う人・場所医師の処方、または研修を受けた薬剤師のいる薬局母体保護法指定医師だけが使う

メフィーゴパックは2023年4月28日に承認されました。承認後の使い方の細かな運用は、このページでは扱っていません。

誤解3「アフターピルがあれば、普段の避妊はいらない」?

アフターピルは、避妊に失敗したときに使う「緊急」の方法です。添付文書は、この薬は計画的に妊娠を避けるためのものではないとしています。

日本産科婦人科学会の服用者向けの資料も、アフターピルを頻繁に使っても、低用量ピルを続けて使う人より妊娠率がかなり高いとしています。薬局の薬の使用上の注意でも、計画的な避妊には低用量経口避妊薬などを使うよう求めています。

これからの避妊の方法は、受診のときに医師に相談できます。薬局で買った人も、薬剤師から産婦人科の受診を案内されることがあります。

誤解4「性行為でうつる感染症も防げる」?

防げません。日本産科婦人科学会の指針は、緊急避妊薬も子宮内避妊具も、HIVを含む性行為でうつる感染症を予防するものではないとしています。薬局の薬の使う人向けの資料にも、同じことが書かれています。

感染の心配があるときは、アフターピルとは別に、医療機関で検査や相談を受ける必要があります。性暴力の被害にあった場合は、警察が検査の費用を公費で負担する仕組みもあります(相談先のページ)。

誤解5「飲むと将来、妊娠しにくくなる」?

WHOは、緊急避妊薬は将来の妊娠のしやすさに影響しないとしています。販売会社のQ&Aも同じ説明をしています。

また、心配されることの多い点として、飲んだ後に妊娠していた場合の赤ちゃんへの影響があります。添付文書には、生まれた子の奇形や流産などの割合は飲まなかった場合と差がなかったという海外の報告が載っています。

体への影響として知っておきたいのは、生理の時期がずれやすいことです。これは飲んだ後のページで説明しています。

誤解6「飲めば妊娠は完全に防げる」?

完全には防げません。添付文書は、この薬で完全に妊娠を阻止することはできないとしています。学会の資料も、数%は妊娠するとしています。

妊娠を防ぐ割合は、試験の条件を添えて読む必要があります。

WHOは早く飲むほど効果が高いとしており、添付文書もできる限り速やかに飲むよう指導するとしています。飲んだ後の性交による妊娠も防げません。数字の意味は効く仕組みのページ、時間のことは何時間以内に飲むかのページを見てください。

誤解7「薬局では16歳以上で、親の同意が要る」?

これは古い情報です。2023年11月28日から2026年2月1日まで、国の調査事業として薬局での試験販売が行われました。このときは16歳以上の本人が対象で、研究への参加の同意が必要でした。16〜17歳は保護者などの同意と同伴も必要でした。

2026年2月2日からは、要指導医薬品として薬局で買えるようになりました。2026年10月9日時点の主な決まりは次のとおりです。

「薬局では買えない」という情報も、2026年2月1日までの話です。今の制度は薬局で買う制度のページにまとめています。

よく出る疑問

パートナーが代わりに薬局で買うことはできますか?

できません。要指導医薬品の緊急避妊薬は、服用を希望する本人以外には販売できないとされています。薬剤師の前でその場で飲むことも決まりになっています。

16歳未満は薬局で買えないのですか?

買えないとは決められていません。国の通知は、性交同意年齢(16歳)未満の人には、避妊の指導などのために産婦人科や小児科の受診を勧めるとしています。これは受診を案内する決まりです。

アフターピルの「72時間」を過ぎたら、もう意味がないのですか?

学会の指針は、72時間を過ぎて120時間以内の使用は、決められた用法の範囲外だが有効である可能性が高いとしています。120時間を過ぎた場合はデータがありません。どうするかは医師に相談してください(何時間以内に飲むか)。

出典(編集部が原文を読んだ資料)
  1. 緊急避妊法の適正使用に関する指針(令和7年改訂版・2025年4月)|日本産科婦人科学会(2026年10月9日に確認)
  2. ノルレボ錠1.5mg 添付文書(医療用・2022年2月改訂 第2版)|PMDA(2026年10月9日に確認)
  3. Emergency contraception(Fact sheet・2021年11月9日更新)|WHO(2026年10月9日に確認)
  4. ノルレボQ&A|第一三共ヘルスケア(2026年10月9日に確認)
  5. 薬生薬審発0428第5号(メフィーゴパックの承認に係る通知・2023年4月28日)|PMDA掲載(2026年10月9日に確認)
  6. 要指導医薬品ノルレボ 審議結果報告書・審査報告書|厚生労働省(2026年10月9日に確認)
  7. 緊急避妊薬のスイッチOTC化について(部会資料・2025年8月)|厚生労働省(2026年10月9日に確認)
  8. 令和7年9月18日付 医薬総発0918第2号・医薬薬審発0918第3号(要指導医薬品の緊急避妊薬の販売)|厚生労働省(2026年10月9日に確認)
  9. 令和5年度 緊急避妊薬の販売に係る環境整備のための調査事業 報告書|厚生労働省(2026年10月9日に確認)
  10. 令和7年度 調査事業の概要|厚生労働省(2026年10月9日に確認)

このページは、添付文書や国・学会の資料など公開された情報をまとめたものです。一人ひとりの状況(飲めるかどうか・妊娠の可能性)は判断できません。飲むかどうか、飲んだ後のことは、医師か薬剤師に相談してください。当サイトは医療機関・薬局の紹介も、薬の販売もしていません。

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