オンライン診療で緊急避妊薬をもらうときの国の決まり
緊急避妊は、国の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の中で、初診の扱いに例外が置かれている数少ない診療です。2026年4月改訂の指針本文と、厚生労働省のページをもとに中身を説明します。
- オンライン診療の初診は対面が原則です。緊急避妊も、まずは対面で受診できる医療機関を紹介する、という形が基本です。
- 例外として、地理的な事情がある場合や、心理的な状態から対面が難しいと判断された場合に、産婦人科医か国の研修を受けた医師が初診からオンラインで診ることが許容され得るとされています。
- その場合、薬は1錠だけ院外処方され、研修を受けた薬剤師から受け取って薬剤師の目の前で飲みます。
- 約3週間後に、産婦人科で対面の診察を受けることが求められています。
オンライン診療の指針とは?
「オンライン診療の適切な実施に関する指針」は、パソコンやスマートフォンの画面を通して医師が診察するときに守るべきことを、厚生労働省がまとめたものです。2018年3月にでき、その後、次の日付で改訂されています。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2018年3月30日 | 指針ができる(策定の通知) |
| 2019年7月31日 | 改訂。緊急避妊の扱いが加わる |
| 2022年1月28日 | 改訂 |
| 2023年3月30日 | 改訂 |
| 2026年4月2日 | 改訂(令和8年4月改訂) |
2026年10月22日時点の最新は、2026年4月改訂の版です。緊急避妊についての記載は、指針の「Ⅴ 指針の具体的適用」の中の「適用対象」の項にあります。
初診からオンラインで診てもらえるのはどんなとき?
指針は、オンライン診療の初診は「かかりつけの医師」が行い、対面の診療と組み合わせることを原則としています。そのうえで、例外が許容され得る診療として、禁煙外来と緊急避妊を挙げています。
緊急避妊については、まず次の流れが基本とされています。
- 対面で受診できる医療機関の情報を持っていない女性に、女性の健康に関する相談窓口などが、医療機関のリストを使って受診できる所を紹介する。
- その上で、対面の診療を受ける。
相談窓口には、女性健康支援センター、婦人相談所、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターが含まれます。
初診からオンラインで診ることが許容され得るのは、次の2つの場合です。
- 地理的な事情がある場合
- 相談窓口に所属する医師、または窓口と連携する医師が、女性の心理的な状態から、対面の診療が難しいと判断した場合
このとき診るのは、産婦人科医か、厚生労働省が指定する研修を受けた医師です。
薬はどうやって受け取る?
初診からオンラインで診る場合、指針は次のように定めています。
- 医師は1錠だけを院外処方する(医療機関の外の薬局で受け取る処方箋を出す)。
- 女性は、薬局で研修を受けた薬剤師から薬を受け取る。
- その薬を、薬剤師の目の前で飲む。
処方箋を持ち帰って後で飲む、という形ではありません。オンライン診療に対応する薬局と薬剤師の一覧は、厚生労働省の「緊急避妊薬の調剤・販売について」のページから探せます。
この「薬剤師の目の前で飲む」という形は、2026年2月2日に始まった薬局での販売にも取り入れられています。薬局で処方箋なしに買う場合の決まりは薬局で買うときの決まりのページにあります。
飲んだ後の受診は求められている?
指針は、飲んだ女性が避妊できたかどうかなどを確かめられるよう、約3週間後に産婦人科医の対面の診療を受けることを求めています。オンラインで初診を行った医師には、その受診につなげて、その後の経過を見る役目があるとされています。
また、医師と薬剤師は、ふだんから使える避妊の方法について説明することになっています。飲んだ後の月経の目安や妊娠の確かめ方は飲んだ後のページと妊娠検査のページにあります。
性暴力の被害が疑われるときは?
指針の注には、オンライン診療で緊急避妊薬を希望した女性が性被害を受けた可能性がある場合の対応も書かれています。
- 女性の気持ちや置かれた状況に十分に配慮しながら、警察への相談を促す。
- 18歳未満の女性が受けた可能性のある被害が児童虐待にあたると思われる場合は、児童相談所へ通告する。
- 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターなどを紹介する。
医師は、対面の診療で検体(証拠などのための採取)が必要になることも含めて、研修などで対応を身につけておくこととされています。被害にあったときの相談先は相談先のページにあります。
研修を受けた医師はどう探す?
厚生労働省は、緊急避妊のオンライン診療の研修を修了した医師の一覧(PDF)を、緊急避妊に係る取組のページ(厚生労働省)に載せています。同じページには、対面で緊急避妊の診療ができる産婦人科医療機関等の都道府県別の一覧(2026年10月8日更新)もあります。
指針は、厚生労働省が研修を受けた医師と薬剤師のリストをホームページに載せること、初診からのオンライン診療による処方の実態を適宜調べることも定めています。
このサイトでは、オンライン診療を行う事業者や医療機関の名前を挙げたり、比べたりはしません。3つの入手方法の比べ方は入手方法のページにあります。
オンライン診療で気をつけたいことは?
指針は、オンライン診療を行う医師に、対面の診療ができないかをもう一度確かめるよう求めています。近くに対面で受診できる医療機関があるなら、そちらが基本になる、という考え方です。
避妊に失敗してから72時間以内に飲む薬なので、診察の予約や薬局への移動にかかる時間も考える必要があります。時間の数え方は何時間以内に飲むかのページにあります。どの方法が合うかは、医師か薬剤師に相談してください。
よく出る疑問
オンライン診療なら誰でも初診から緊急避妊薬をもらえますか?
指針では、初診からのオンライン診療は例外として許容され得る扱いです。地理的な事情や、対面が難しい心理的な状態などの場合とされています。対象になるかは、診療する医師が判断します。
薬は家に送ってもらえますか?
指針では、初診からオンラインで診た場合、薬は1錠だけ院外処方され、研修を受けた薬剤師から受け取って、その場で飲む形になっています。
指針はいつ改訂されましたか?
2018年3月にでき、2019年7月31日、2022年1月28日、2023年3月30日、2026年4月2日に改訂されています。緊急避妊の扱いは2019年7月31日の改訂で加わりました。
オンライン診療の費用はいくらですか?
緊急避妊薬は保険の対象ではなく自費です。診察料などを含めた金額は医療機関によって違うので、受診する医療機関に確かめてください。費用のページも参考にしてください。
- オンライン診療の適切な実施に関する指針(平成30年3月・令和8年4月改訂、厚生労働省)(2026年10月22日に確認)
- オンライン診療に関して(厚生労働省。指針の策定・改訂の通知の一覧)(2026年10月22日に確認)
- 「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づく緊急避妊に係る取組について(厚生労働省)(2026年10月22日に確認)
- 緊急避妊薬の調剤・販売について(厚生労働省)(2026年10月9日に確認)
- ノルレボ錠1.5mg 添付文書(PMDA・2022年2月改訂 第2版)(2026年10月9日に確認)
このページは、添付文書や国・学会の資料など公開された情報をまとめたものです。一人ひとりの状況(飲めるかどうか・妊娠の可能性)は判断できません。飲むかどうか、飲んだ後のことは、医師か薬剤師に相談してください。当サイトは医療機関・薬局の紹介も、薬の販売もしていません。