日本の緊急避妊薬はどう変わってきた?承認から薬局販売までの年表
日本で緊急避妊薬(アフターピル)を手に入れる方法は、この15年ほどで大きく変わりました。厚生労働省や学会などの資料にある日付だけを使って、2026年10月22日時点までの流れを並べます。
- 2011年: 最初の緊急避妊薬が承認されました。長いあいだ、医師の処方を受けて使う薬でした。
- 2019年: オンライン診療の国の指針が改訂され、条件つきで初診からオンラインで診ることが認められ得るとされました。
- 2026年2月2日: 処方箋なしで薬局で買える「要指導医薬品」として販売が始まりました。その前の約2年2か月は、国の調査として一部の薬局で試験的に売られていました。
古い記事を読むときは、書かれた日付がこの年表のどこに当たるかを見ると、今も通じる情報かどうかを判断しやすくなります。
日本の緊急避妊薬の年表は?
出典の欄は、このページの下にある資料の名前を短くしたものです。和暦の資料は西暦に直しています。
| 時期 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2011年 | ノルレボ錠0.75mgが承認される | 審査報告書 |
| 2015年 | 1錠で使うノルレボ錠1.5mgが承認される(販売は2016年4月から) | 審査報告書・添付文書 |
| 2017年11月 | 国の評価検討会議で、薬局で売る薬にすることは「時期尚早」とされる | 部会資料 |
| 2018年3月 | 「オンライン診療の適切な実施に関する指針」ができる | オンライン診療のページ |
| 2019年3月 | 後発品(ジェネリック)のレボノルゲストレル錠1.5mg「F」の販売が始まる | 後発品の添付文書 |
| 2019年7月31日 | 指針の改訂。緊急避妊は、条件つきで初診からオンラインで診ることが許容され得るとされる | オンライン診療のページ・取組のページ |
| 2019年11月21日 | 国が、緊急避妊の診療の体制づくりについて協力を求める | 取組のページ |
| 2020年12月25日 | 第5次男女共同参画基本計画が閣議決定される。処方箋なしで使えるよう検討することが盛り込まれる | 内閣府・調査事業の概要 |
| 2023年11月28日 | 国の調査事業として、全国145の薬局で試験販売が始まる | 調査事業の概要 |
| 2024年5月10日 | 2023年度の調査の報告書が公表される | 報告書のページ |
| 2024年6月19日 | 薬局で売る薬(ノルレボ)の承認申請 | 審査報告書 |
| 2024年9月25日 | 協力薬局を339に増やした2024年度の調査が始まる | 調査事業の概要 |
| 2024年10月29日 | 同じ成分の別の薬(レソエル72)の承認申請 | 審議結果報告書 |
| 2024年12月 | 銅付加の子宮内避妊具が販売中止になる | 学会の指針 |
| 2025年4月 | 日本産科婦人科学会が緊急避妊の指針を改訂する | 学会の指針 |
| 2025年5月14日 | 2024年度の調査の報告書が公表される | 報告書のページ |
| 2025年8月29日 | 国の部会が、薬局で売るノルレボの承認を了承する | 審査報告書 |
| 2025年9月18日 | 売る薬局と薬剤師の条件を定めた国の通知が出る | 国の通知 |
| 2025年10月 | 要指導医薬品のノルレボが承認される | 国の協力依頼 |
| 2026年2月1日 | 試験販売が終わる | 調査事業の概要 |
| 2026年2月2日 | 要指導医薬品の緊急避妊薬の販売が始まる。同じ日の部会で、レソエル72も対面で売る薬にあたるとされる | 厚生労働省・審議結果報告書 |
| 2026年3月31日 | 国の通知の一部改正(報告に使うサイトの変更など) | 改正の通知 |
| 2026年4月2日 | オンライン診療の指針が改訂される(令和8年4月改訂) | オンライン診療のページ |
| 2026年7月31日 | 試験販売の最終報告書が公表される(概要は2026年8月18日) | 報告書のページ |
| 2026年10月1日 | 販売が可能な薬局等の一覧が更新される | 薬局の一覧 |
最初は医師の処方だけだった?
はい。2011年に承認された最初の薬は0.75mgの錠剤で、2015年には1回1錠で使う1.5mgの錠剤が承認されました。どちらも「処方箋医薬品」で、医師の診察を受けてから使う薬でした。
2019年3月には、同じ成分の後発品が加わりました。ただ、手に入れるには医療機関に行く必要があることは変わりませんでした。避妊に失敗してから72時間以内に飲む薬なので、近くに医療機関がない人や、夜や休日に気づいた人には、時間との勝負になりやすい仕組みでした。
オンライン診療はいつから使えるようになった?
オンライン診療の国の指針は2018年3月にでき、2019年7月31日の改訂で緊急避妊の扱いが加わりました。初診は対面が原則ですが、緊急避妊については、地理的な事情などがある場合に、産婦人科医か国の研修を受けた医師が、初診からオンラインで診ることが許容され得るとされています。
このとき、薬は1錠だけを処方し、研修を受けた薬剤師の目の前で飲むという形が決まりました。この「薬剤師の目の前で飲む」という考え方は、のちの薬局での販売にも引き継がれています。指針の中身はオンライン診療の指針のページでくわしく読めます。
薬局で売るまでにどんな議論があった?
2017年11月の国の会議では、薬局で売る薬にするのは「時期尚早」とされました。その後、2020年12月25日に閣議決定された第5次男女共同参画基本計画に、処方箋なしで使えるよう検討することが盛り込まれました。
これを受けて、国は2023年11月28日から、条件を満たした一部の薬局で試しに売る調査を始めました。売り方の手順を調べて直しながら、2026年2月1日まで続きました。調査でわかったことは試験販売の調査のページにまとめています。
調査と並行して、2024年6月19日と2024年10月29日に、製薬会社が薬局で売る薬の承認を申請しました。2025年8月29日の部会で了承され、2025年9月18日に売り方の条件を定めた通知が出て、2025年10月に承認されています。
2026年2月2日からは何が変わった?
2026年2月2日から、緊急避妊薬は「要指導医薬品」として、処方箋がなくても研修を修了した薬剤師がいる薬局で買えるようになりました。使い方は「薬剤師から受け取り、その場で飲む」と決められています。
試験販売のころは、16歳以上で研究への参加に同意した本人だけが対象でした。今の制度には年齢の制限がなく、親の同意もいりません。今の決まりのくわしい中身は薬局で買うときの決まりのページにあります。
販売が始まった後も、国の通知の一部改正(2026年3月31日)や、オンライン診療の指針の改訂(2026年4月2日)があり、薬局の一覧は毎月上旬に更新されています。
これから制度はどうなる?
厚生労働省は、薬剤師の目の前で飲む決まりを含めた売り方について、一定の期間のあとに見直しを話し合うとしています。発売後の調査は少なくとも3年続き、その中で目の前で飲む決まりの運用も調べることになっています。
どう変わるかは、2026年10月22日時点では決まっていません。予想で書かず、新しい資料が出たらこの年表に足していきます。
古い情報はどう見分ける?
この話題は、数年のうちに決まりが何度も変わりました。記事や口コミを読むときは、次の点を見てください。
- 「薬局では買えない」: 2026年2月1日までの情報です。
- 「16歳以上だけ」「保護者の同意がいる」: 試験販売のころの条件です。
- 「銅の子宮内避妊具も選べる」: 2024年12月に販売中止になる前の情報です。くわしくは子宮内避妊具のページにあります。
迷ったときは、厚生労働省のページか、医師・薬剤師に今の決まりを確かめてください。
よく出る疑問
緊急避妊薬が日本で使えるようになったのはいつですか?
最初の薬は2011年に承認されました。2015年に1回1錠で使う1.5mgの薬が承認され、2016年4月から販売されています。
薬局で買えるようになったのはいつからですか?
2026年2月2日からです。それより前の2023年11月28日から2026年2月1日までは、国の調査として一部の薬局で試験的に売られていました。
試験販売と今の販売は同じものですか?
違います。試験販売は調査のための仕組みで、対象者の条件も今とは違いました。今は要指導医薬品としての正式な販売です。違いは試験販売のページで比べています。
この年表はいつまでの内容ですか?
2026年10月22日時点で確かめた資料までです。日付は国や学会、製薬会社の公式の資料にあるものだけを使い、報道だけで伝えられた日付は載せていません。
- 審議結果報告書・審査報告書 ノルレボ(要指導医薬品)(厚生労働省掲載)(2026年10月9日に確認)
- ノルレボ錠1.5mg 添付文書(PMDA・2022年2月改訂 第2版)(2026年10月9日に確認)
- レボノルゲストレル錠1.5mg「F」 添付文書(PMDA)(2026年10月9日に確認)
- 緊急避妊薬のスイッチOTC化について(厚生労働省 部会資料・令和7年8月)(2026年10月9日に確認)
- オンライン診療に関して(厚生労働省。指針の策定・改訂の通知の一覧)(2026年10月22日に確認)
- 「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づく緊急避妊に係る取組について(厚生労働省)(2026年10月22日に確認)
- 第5次男女共同参画基本計画(内閣府 男女共同参画局・2020年12月25日閣議決定)(2026年10月22日に確認)
- 令和5年度 緊急避妊薬販売に係る環境整備のための調査事業報告書(概要)(厚生労働省・2024年5月10日掲載)(2026年10月22日に確認)
- 令和6年度 緊急避妊薬販売に係る環境整備のための調査事業報告書(概要)(厚生労働省・2025年5月14日掲載)(2026年10月22日に確認)
- 令和7年度 緊急避妊薬販売に係る環境整備のための調査事業報告書(概要)(厚生労働省・2026年8月18日掲載)(2026年10月22日に確認)
- 緊急避妊薬のスイッチOTC化に係る環境整備のための調査事業 結果報告書(厚生労働省・掲載ページ)(2026年10月22日に確認)
- 審議結果報告書 レソエル72(PMDA)(2026年10月9日に確認)
- 緊急避妊法の適正使用に関する指針(令和7年改訂版)(日本産科婦人科学会・2025年4月)(2026年10月9日に確認)
- 要指導医薬品である緊急避妊薬の販売に関する通知(令和7年9月18日 医薬総発0918第2号・医薬薬審発0918第3号、厚生労働省)(2026年10月9日に確認)
- 要指導医薬品である緊急避妊薬の販売に関する協力依頼(厚生労働省・令和8年1月28日)(2026年10月9日に確認)
- 緊急避妊薬の調剤・販売について(厚生労働省)(2026年10月9日に確認)
- 同通知の一部改正(2026年3月31日、厚生労働省)(2026年10月9日に確認)
- 要指導医薬品である緊急避妊薬の販売が可能な薬局等の一覧(厚生労働省・2026年10月1日更新)(2026年10月22日に確認)
- 令和5年度 同調査事業 報告書(厚生労働省・2024年5月10日掲載。試験販売の対象者の条件)(2026年10月9日に確認)
このページは、添付文書や国・学会の資料など公開された情報をまとめたものです。一人ひとりの状況(飲めるかどうか・妊娠の可能性)は判断できません。飲むかどうか、飲んだ後のことは、医師か薬剤師に相談してください。当サイトは医療機関・薬局の紹介も、薬の販売もしていません。