パートナー・家族・友人ができること
大切な人から「避妊がうまくいかなかったかもしれない」と聞いたとき、何をすればよいか迷うのは当然です。このページでは、国の決まりの範囲で、まわりの人が手伝えることと、手伝えないことを整理しました。
- 薬局の緊急避妊薬は、飲む本人以外には売れません。本人が研修を受けた薬剤師の前で、その場で飲む決まりです。
- パートナーの同意は要りません。使うかどうかを決めるのは本人です。
- まわりの人ができるのは、話を聞くこと、探すのを手伝うこと、付き添うことです。
- 性暴力が疑われるときは、#8891 などの相談先があります。
パートナーや家族が代わりに買える?
販売会社と国の資料によると、薬局で売られる緊急避妊薬(要指導医薬品)は、服用を希望する本人以外には販売できません。用法・用量そのものが「薬剤師から受け取り、その場で服用する」と決められているためです。
医療機関で処方を受ける場合も、診察を受けるのは本人です。オンライン診療で処方された場合も、本人が研修を受けた薬剤師から薬を受け取り、その面前で飲む仕組みになっています。どの方法でも、まわりの人が薬だけを受け取って本人に渡す形はとれません。
「早く手に入れてあげたい」という気持ちは自然なものです。その気持ちは、本人が動きやすくなる手伝いに向けることができます。
パートナーの同意は必要?
販売会社は、パートナーの同意は不要だと説明しています。親の同意も要りません(2026年10月22日時点)。
つまり、飲むかどうかは本人が決めることです。パートナーや家族が「飲んで」「飲まないで」と決めることはできません。気持ちを伝えるのはかまいませんが、決める立場は本人にあります。迷っている本人には、医師か薬剤師に相談すれば、くわしい説明を受けられることを伝えてください。
逆に、本人が「飲む」と決めたことを責めたり、止めたりするのは避けてください。時間がたつほど選べることが減っていく薬です。
まず何をすればいい?話を聞くときの心がけ
打ち明けられたとき、まず大切なのは、責めずに話を受け止めることです。「どうして」と理由を問いつめるより、「教えてくれてありがとう」「一緒に考えよう」と伝えるほうが、本人は次の行動に移りやすくなります。
- 落ち着いて話せる場所を選ぶ
- 本人が話したいことだけを聞く。くわしく聞き出そうとしない
- 何をしたいか、何をしてほしいかを本人に聞く
- 本人の代わりに決めない
緊急避妊薬は、できる限り速やかに飲むよう指導される薬です。ただし、あせらせる言い方は、本人を追いつめることがあります。時間の目安は何時間以内に飲むかのページで一緒に確かめるのがよいでしょう。
付き添いや探す手伝いでできること
本人が望めば、まわりの人は次のような手伝いができます。
- 探す: 厚生労働省の「販売が可能な薬局等の一覧」や、対面診療ができる医療機関の一覧を一緒に見る(一覧の見方)。
- 確かめる: 国は、在庫や販売できる薬剤師がいるかを、あらかじめ電話で確かめるよう勧めています。本人が電話しづらいときは、横で一緒に聞く。
- 付き添う: 薬局や医療機関まで一緒に行く。ただし、薬剤師との話や服用は本人が行います。
- そのあと: 3週間後の妊娠の確認や、次の月経の時期を気にかける。
薬局では、話す場所のプライバシーへの配慮が求められています。本人が一人で話したいと言ったら、少し離れて待つことも手伝いのひとつです。
費用はどうする?
緊急避妊薬は保険がきかない自費の薬です。医療機関での価格はそれぞれ違い、薬局の売値も店ごとに違うことがあります(費用のページ)。
費用をだれが出すかは、二人や家族で話し合うことです。お金のことで本人が受診や購入をためらっているなら、その不安を一緒に解消するのもまわりの人にできることです。性犯罪の被害の場合は、警察が緊急避妊などの費用を負担する仕組みがあります。
性暴力が疑われるとき、まわりの人がすること
本人の話から、望まない性行為があったと分かることもあります。そのときは、本人を責めないこと、話を疑わないことが何より大切です。
相談先には、#8891(ワンストップ支援センター)と #8103(警察の性犯罪被害相談電話)があり、今危険があるときは110番です。内閣府の性暴力に関するSNS相談「Cure time」は、電話がむずかしい人がチャットで相談できる窓口です。家族や友人など、相談を受けた人も、どう支えればよいかを相談できます。
届け出るかどうかを決めるのは本人です。ただ、証拠のことは時間がたつと難しくなることがあるため、早めに相談先に相談しておくと選べることが増えます。くわしくは性暴力の被害にあったときの相談先にまとめています。
相手が18歳未満で、家の中などで虐待が疑われるときは、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」があります。お近くの児童相談所につながり、匿名でも相談できます。
これからの避妊を二人で考えるとき
緊急避妊薬は、計画的に妊娠を避けるための薬ではありません。性行為でうつる感染症も防げません。これからのことは、責め合う話ではなく、二人で情報を集める話にできます。
続けて使う避妊の方法については低用量ピルなどとの違い、感染症の検査と相談先については性感染症の検査のページで、公的な資料をもとに紹介しています。どの方法が合うかは、医師に相談して決めてください。
よく出る疑問
彼氏が一人で薬局に行って買うことはできますか?
できません。薬局の緊急避妊薬は、飲む本人以外には売れない決まりです。本人が薬剤師の前で、その場で飲みます。付き添って一緒に行くことはできます。
親が娘の代わりに病院で薬をもらえますか?
診察を受けるのは本人です。薬局で買う場合も、本人が薬剤師の前で飲みます。家族は付き添いや、探すのを手伝う形で関わることができます。
本人が飲むのをためらっています。説得したほうがいいですか?
決めるのは本人です。くわしく知りたいことがあれば、医師か薬剤師に聞けることを伝えてください。説得するより、話を聞き、相談先に一緒に連絡するほうが本人の助けになります。
打ち明けられた側が相談できる場所はありますか?
性暴力が関わる場合は、#8891 のワンストップ支援センターで、支える側も相談できます。家族のことで悩む18歳未満の人と保護者は、こども家庭庁の「親子のための相談LINE」も使えます。
- 要指導医薬品ノルレボの発売についての発表(2025年12月18日)|第一三共ヘルスケア(2026年10月9日に確認)
- ノルレボQ&A|第一三共ヘルスケア(2026年10月9日に確認)
- 要指導医薬品ノルレボ 審議結果報告書・審査報告書|厚生労働省(2026年10月9日に確認)
- 「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づく緊急避妊に係る取組について|厚生労働省(2026年10月9日に確認)
- 要指導医薬品である緊急避妊薬の販売が可能な薬局等の一覧(令和8年10月1日更新)|厚生労働省(2026年10月22日に確認)
- ノルレボ錠1.5mg 添付文書(医療用・2022年2月改訂 第2版)|PMDA(2026年10月9日に確認)
- 令和7年9月18日付 医薬総発0918第2号・医薬薬審発0918第3号(要指導医薬品の緊急避妊薬の販売)|厚生労働省(2026年10月9日に確認)
- 性犯罪・性暴力に関する相談窓口(ワンストップ支援センター)|内閣府 男女共同参画局(2026年10月22日に確認)
- 若年層の性暴力防止に向けた取組「相談窓口」|内閣府 男女共同参画局(2026年10月22日に確認)
- 性犯罪被害相談電話|警察庁(2026年10月9日に確認)
- 犯罪被害者等施策「性的な被害」|警察庁(2026年10月9日に確認)
- 児童相談所虐待対応ダイヤル「189」|こども家庭庁(2026年10月22日に確認)
- 児童虐待防止対策(189・親子のための相談LINE)|こども家庭庁(2026年10月22日に確認)
- 緊急避妊法の適正使用に関する指針(令和7年改訂版・2025年4月)|日本産科婦人科学会(2026年10月9日に確認)
このページは、添付文書や国・学会の資料など公開された情報をまとめたものです。一人ひとりの状況(飲めるかどうか・妊娠の可能性)は判断できません。飲むかどうか、飲んだ後のことは、医師か薬剤師に相談してください。当サイトは医療機関・薬局の紹介も、薬の販売もしていません。